英語会議で話せない原因を5つに分ける
英語の会議で「What do you think?」と振られた瞬間、頭が真っ白になる。会議が終わってからなら、言いたかった内容も英語も思いつく。単語も文法も勉強してきたのに、なぜか本番では一言が出ない。私自身、TOEIC L&R 990を取ったあとでも、同じ時期がありました。2022年末から社会人約30人を個別に指導してきましたが、「会議で話せない」は一つの問題ではありません。まず、どこで処理が止まっているのかを分ける必要があります。
英語会議で発言できない原因は、5つに分けると対策しやすくなります。聞き取れていない、英文を作れない、決まり文句がない、会話に入れない、発音への不安で止まる。このうち最初に詰まる場所から直します。
1. 相手の英語を聞き取れず、答える材料がない
Sorry, could you say that again?
すみません、もう一度言ってもらえますか。
Could you repeat the last part?
最後の部分をもう一度お願いできますか。
質問されたときに黙ってしまうと、「自分は英語を話せない」と考えがちです。ただ、実際には話す前に止まっている場合があります。相手が何を聞いたのか分からなければ、答えを作れません。単語が一つ落ちたのか、文の構造を追えなかったのか、そもそも話す速度についていけなかったのか。まず聞き取りを確認します。
見分け方は簡単です。同じ質問を文字で見たらすぐ答えられるかを考えます。文字なら意味が分かり、返答も浮かぶなら、中心の問題はスピーキングではなくリスニングです。分かったふりをして答えを作るより、聞けなかった場所を特定して聞き返すほうが早く会話に戻れます。
文字で見れば答えられるのに音声になると止まるなら、まず聞き取りの問題をさらに細かく切り分けます。
電話会議の英語が聞き取れない原因と対策 →
2. 意味は分かるのに、その場で英文を作れない
I agree, mainly for one reason.
賛成です。主な理由は一つあります。
I think we should wait.
待ったほうがいいと思います。
相手の発言は理解できている。日本語なら答えも決まっている。それでも英語にしようとすると止まる。この場合は、知識がないのではなく、知っている単語と文法を短時間で文にする処理が追いついていません。会議中に「この動詞のあとは前置詞が必要だったか」と考え始めると、その間にも会話は進みます。
私自身、TOEIC L&R 990を取ったあとでも、この状態を経験しました。問題集で正解を選べることと、数秒で一文を口から出すことは同じではありません。最初から長い意見を作る必要はありません。「賛成です。理由は一つあります」のような短い骨格をすぐ作り、あとから情報を足します。英文をその場で組み立てる練習が必要です。
言いたい内容は決まっているのに英語へ変換するところで止まるなら、短い英文をすぐ作る練習から始めます。
ビジネス英語の瞬間英作文 →
3. 会議で使う決まり文句を準備していない
I agree with that point.
その点には賛成です。
Can I clarify one thing?
一点確認してもいいですか。
英文そのものは作れるのに、会議になると毎回ゼロから表現を考えている人もいます。賛成する、反対する、確認する、聞き返す、補足する。こうした動作は会議のたびに繰り返します。それなのに毎回「英語で何と言えばいいだろう」と考えていれば、内容を考える前に時間を使ってしまいます。
ここは語彙を際限なく増やす話ではありません。よく使う場面について、自分がすぐ言える一文を先に持ちます。決まり文句が口から出れば、その後ろに会議固有の内容を足せます。社会人への個別指導でも、英語力全体を上げるより先に、毎回使う表現を固定したほうが詰まる場所を見つけやすいケースを繰り返し見てきました。
会議で毎回同じ種類の一言を考え直しているなら、まず頻繁に使う表現を手元に置きます。
会議で使える英語フレーズ26選 →
4. 話す内容はあるのに、会話へ入る隙がない
Can I add something here?
ここで一点付け加えてもいいですか。
Just one point on that.
その点について一つだけ。
聞き取れている。言いたい英語も頭にある。それでも発言できないなら、問題は英文ではなく会話に入るタイミングかもしれません。複数人の会議では、一人が話し終わるまで待っているうちに別の人が話し始めます。「次に間が空いたら言おう」と考えていると、そのまま議題が進むこともあります。
このタイプは、完成した意見を頭の中で用意してから話そうとしないことが大切です。まず短い一言で発言する意思を示し、そのあと本題へ入ります。会議の冒頭から一度も声を出していないと、途中の発言も重く感じやすくなります。最初の挨拶や短い確認から声を出し、発言する側として会話に入っておきます。
頭の中には意見があるのに順番が回ってこないなら、会議の入り方と最初の発言から見直します。
英語会議の挨拶と最初の3分 →
5. 発音への不安で、話す前から口を止めている
英文は浮かんでいるのに、「この発音で通じるだろうか」と考えて口を閉じる場合があります。一度聞き返された経験があると、次の発言でも慎重になります。すると、発音を確かめてから話そうとして時間が過ぎます。この状態では、語彙や文法を増やしても発言数はあまり変わりません。
必要なのは、発音全体を漠然と気にすることではありません。どの音が実際に伝わりにくいのかを切り分けます。自分では不安でも問題なく伝わる音と、直したほうがよい音を分ければ、直す範囲が決まります。筆者は留学も海外在住もせず国内で学び、中学1年で英検1級、IELTS Academic 8.0、VERSANT Speaking 80を取得しました。発音も、曖昧な自信ではなく一つずつ確認します。
発音が正しいか分からないこと自体が発言を止めているなら、まず自分の音を確認して直す場所を決めます。
発音チェック(60秒・登録不要) →
最初に止まる場所から直す
5つを全部同時に直す必要はありません。会議で発言できなかった場面を一つ思い出し、「最初にどこで止まったか」を見ます。質問自体が分からなかったなら原因1です。意味は分かったが英文にならなかったなら原因2。表現を探していたなら原因3。言う文まで決まっていたのに入れなかったなら原因4です。口に出す直前に発音が気になったなら原因5です。
「英語をもっと勉強する」とまとめると、必要のない練習まで増えます。まず一番手前の詰まりを一つ直します。その問題が消えて初めて、次に止まる場所が見えてきます。
よくある質問
TOEICの点数が高くても、英語会議で話せないことはありますか?
あります。筆者自身、TOEIC L&R 990を取ったあとでも会議で一文が出てこない時期がありました。点数だけで原因を判断せず、聞き取り、英文の組み立て、決まり文句、発言のタイミング、発音のどこで止まるかを確認します。
英語会議で話せるようになるには、まず何を勉強すればいいですか?
先に教材を決めるのではなく、直近の会議で最初に止まった場所を確認します。聞き取れなかった人と、英語を組み立てられなかった人では必要な練習が違います。原因を一つ選び、それに対応する練習から始めます。
会議の前に英語を準備しても、本番では話せません。なぜですか?
準備した内容とは別の場所で止まっている可能性があります。たとえば英文を用意していても、質問を聞き取れなければ答えられません。発言内容が完成していても、会話へ入れなければ口に出せません。準備量ではなく、止まった工程を確認します。